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モロッコ水晶の謎 有栖川有栖

有栖川有栖著の火村シリーズの中の国名シリーズとされている作品の第八作目。
国名シリーズとは著者がエラリー・クイーンの題名に見習うものである。
私は国名シリーズはロシア紅茶の謎からずっと読んではいるが、エラリー・クイーンの方の本は読んだ事が無い。
なのでエラリー・クイーンのファンの方からは怒られそうだが、国名の入ったタイトルを見ると、やはり有栖川有栖の印象が強い。

本書に限らず、有栖川有栖の作品は作風に関しては評価が分かれる所なのだが私にとっては非常に読みやすい。
物語の中に登場する英都大学の社会学部・犯罪社会学専攻の准教授(最近までは助教授だった)火村英生と推理小説作家有栖川有栖(著者と同姓同名の主人公だが、当然同一人物ではない)の掛け合いがまた絶妙で、身近に感じられるのである。
探偵役は火村の方で、研究の為のフィールドワークと称し、実際の殺人現場に自ら赴き、事件を解決していく。その理由は本人曰く「人を殺したいと思った事が有るから」。一方のアリスの方は火村の助手という事で火村のフィールドワークに同行している。その理由を本人は心の闇を垣間見せる友人火村の力になってやりたいという事が本音らしい。この『人を殺したいと思った事が~』の一連の事がこの火村シリーズの一つのテーマとなっている。

前置きが長くなったが、本作モロッコ水晶の謎は『助教授の身代金』『ABCキラー』『推理合戦』『モロッコ水晶の謎』の短編集である。

『助教授の身代金』
まぁ著者があとがきでも触れているが、このタイトルはあざとかったかもしれない。
誘拐物の作品であるが、最後の結末が誘拐とはまた違った形で幕を閉めている。

「あんた、今でも楽しいかい?」

今もこういう類の犯罪を犯している人たちに向けて著者が言い放っている様な、そんな気がしてならなかった。

『ABCキラー』
名前の名字がA、殺された場所がA…そんな殺人事件がB、C…と続いていく。
中々面白いのだが、そんな偶然あるか…?と思いながら読み進めた。
第三の犯人が誰だかわからないまま終わった為に読み終えた時に若干消化不良が残ったが、落ち着いて後から思い返してみると、第三の犯人はマスメディアだったのかもしれない。

『推理合戦』
アリスの先輩作家の朝井小夜子と火村の推理合戦。
箸休めにニヤリとした作品。

『モロッコ水晶の謎』
毒殺物。書店オーナー、人気占い師、その周辺人達の集うパーティにアリスが招かれ、そのアリスの目の前で毒物の殺人事件が起こる。
毒殺というとロシア紅茶の謎を思い出す。
個人的にはロシア紅茶の謎の方が好みであるし、犯人の動機、毒を盛る方法に脱帽したものだったが。このモロッコ水晶の謎での犯人は、純粋と言えば純粋、バカと言えばバカなのである。
いくら占いを信じ切っていたとはいえ、そんな賭け…と言えば聞こえはいいが、暴挙に出るものだろうか。
動機も良く解らなかったのだが、どうやって火村がその答えに行きついたのかもわかりにくかった。
物証は無い、しかし論理的に考えれば、奴しかいない…という事で、ああするしか無かったのかもしれないが。


久しぶりに読んだ国名シリーズでツッコませてもらった所もあったが、中々に良作であった。
有栖川有栖の作品はこれから推理小説を読んでみようという方にお勧めである。
個人的には最初に有栖川作品の火村シリーズを読むなら『モロッコ水晶の謎』ではなく『46番目の密室』をお勧めしたい。
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